同性パートナーが、犯罪被害者等給付金支給法(犯給法)に基づく遺族給付を受けられるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は26日、「同性パートナーも支給対象になりうる」との初めての判断を示した。「支給対象にならない」とした二審・名古屋高裁の判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。今回の原告が支給対象になるかが改めて審理される。
犯給法は、遺族給付金の支給対象となる「配偶者」について、婚姻届を出していなくても「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」を含むと定め、異性間なら事実婚でも支給対象になる。
原告の内山靖英さん(49)=愛知県=は、20年以上パートナーとして生活してきた男性を2014年に殺害された。内山さんは、自身らの関係が「婚姻関係と同様の事情」にあたるとして県公安委員会に給付金を申請したが、不支給とされ、処分の取り消しを求めて18年に県を提訴した。
第三小法廷は、同法の遺族給付金の目的は「遺族の精神的・経済的打撃を早期に軽減し、被害者の権利が保護される社会の実現に寄与すること」だと指摘。こうした目的を踏まえて同法の文言を解釈する必要があるとした。
その上で、異性間の事実婚に給付金が支給されているのは、相手を失った打撃は法律婚の場合と同じだからであり、こうした点は「(パートナーが)異性か同性かによって直ちに異なるとは言えない」と述べ、同性パートナーも対象に含まれうると結論づけた。
弁護団「他の法令にも」期待
裁判官5人のうち4人の多数…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル